本研究では,有機ELディスプレイを用いて可視領域と熱領域で異なる映像を同時に制御・表示する手法を提案する.自発光方式である有機ELディスプレイは,各画素に表示する輝度値と時間に依存して温度が変化する.この特性を応用し,画素単位の発熱を調節して,サーマルカメラで撮影可能な熱領域の映像を制御できることに気がついた.そこで本手法では,有機ELディスプレイに表示する輝度に対する温度変化の時間的な応答特性を測定し,その結果を用いて,可視領域と熱領域において独立に制御した異なる映像の表示を実現する.2つの波長域で異なる映像を表示することで,二層構造の映像表現や目に見えないマーカーへの活用が期待される.